2/17/2013

優秀な奴判別法

僕の上司による優秀な奴判別法がある。
これは結構正しいと思っているのだけれど
簡単に説明すると下のようなマトリックスになる。


仕事をしていれば、複雑な事情や複数の要素が絡まったり、理解に専門的知識を要することが起きる。そしてその事象を前提知識を欠いた責任者に説明しなければならない場面が往々にしてある。この時に、
複雑なことをそのまま説明するのは並の人材で、
複雑なことを簡単に説明できるのが優秀な人材で、
簡単なことをわざわざ複雑に説明するのは駄目な人材である。
というのが我が上司の見解である。

僕はこれは正しいと思う。
複雑な概念を正しく理解している人は頭が良い=優秀だと思われがちだが、組織としての事業に貢献しなければ意味がない。
全ての分野の精通している人間などいないのだから、例えば弁護士なら、法律用語を振り回して熱弁を振るっても、顧客の意思決定形成に寄与し、結果へ導けないなら、顧客にとっては価値がない。

最悪なのは、簡単なことを難しくやる人間で、害しかない。
僕の経験上、こういう人は結構な割合で存在する。

僕は関わったことないが、採用や異動ではこういう面で人を評価している筈だと思う。

またこの能力は外国人でも同じだ。むしろバックグラウンドを共有していない相手同士の方がこの能力が問われると言ってもいいのではないか。

ちなみに僕がこれまで出会ったチリの上層レベルの方々のなかで言えば、
真摯に説明をする人は多かったが、文化の壁を越えて「難しいことを簡単に」説明できる人間は殆どいなかったと思う。多数の国で活躍していた人でも、欧州モノカルチャーに近い中での経験となっていたのだろう、日本人の思考バックグランドが中々理解できていなかった様子だった。
ブラジルでは一人いた。彼は弁護士だが、たぶん国内でもかなり優秀だ。若いがファームのパートナーレベルになっているから実力も認められているのだろう。
殆ど初めて合う相手でも、相手が何を欲しているのか察するのが天才的に早い。

こういう「難しいことを簡単に」する為には、もちろん複雑な事象の中から本質を掴んでいなければならないが、それにもまして、結局は相手の話を良く聞いて理解することが必要だと思っている。
それには頭の「しなやかさ」が大切なのでは、と考えている。
ではそのしなやかさはどうすれば鍛えられるのだろうか。
僕の仮説は、いろいろな分野の知識を横断的に吸収することだ。
つまり教養か。