1/25/2014

駐在会社員の日常6   幹部職になった

あけましておめでとうございます。

話はいきなり昨年10月に戻るのだけれど
チリから日本へ出張して強行スケジュールで昇格試験を受けてきた。
その結果が先月出て、晴れて新年から僕は幹部職となった。

試験は一泊二日のスケジュールで、チリから日本到着の翌々日からだったので、時差が抜けず
試験初日の夜21時からの個人作業の時間は、かなり睡魔に襲われ、
気付けば試験の作業シートはミミズのような文字で埋められ、
しょうがくさんねんせいの発表資料のようなそれを回収された時は
まさに地球の裏から逝って窮(Q)。ああ、これは酷い。落ちた。という状態だったのだけれど
結果としては三段階評価の一番上ギリギリという評価になり、めでたく合格した。

ということで幹部職になった。

なぜ幹部職になれたかというと、上司が試験を受けさせてくれたことが大きい。
上司がなれるならなっておきなさいというスタンスだったのと、
実際チリでの業務でも幹部職レベルの仕事がかなり多かったのと、
海外だと平社員でも残業代がつかないという仕組みだったので
経済的にも受けてみたほうが良いかな、という気持ちで受けた。
試験の内容がどう評価されたのかはよくわからない。
一方で、自分は昇進欲からくる嫉妬を持たないようにしようと思っているのだけれど
客観的に言って、全社的にいまの僕の年齢で昇格するのは早い方で
実際、僕が出席した回の試験にも、同期や下の世代はいなかった。
だから、やっぱり誰が受かって落ちたかとか、そういうことは気になってしまう。
不思議なもので。

そんな虚栄心も仕事に襲われて一週間くらいで無くなった。
思いおこせば、これでチリに来てから社内の等級が2段階上がったことになる。
チリに来た時の僕は29歳の頼りない一兵卒だった。
いまでも事務所では一番若い。
それが気付けば自分の10コ20コ年上の外国人に、気兼ねなくああせいこうせいと指示・指導をしている
僕は成長したのだろうか

4年前も今も、僕は変わらず臆病なヤツで
毎日尻込みしている。
毎日尻込みしながら、なんとか前に進もうとしている。

1/02/2014

駐在会社員の日常5   僕がいなくなった後

チリでの正月も4回目を迎えた。
あっという間だ。

来チリした頃、やっと歩き始めたばかりだった娘が、生意気な口を叩くようになっている。

僕は成長したのだろうか。 。。。などということはあんまり考えていない。
おそらく、自分が成長しかたどうかは、日本へ帰国した後に、既知の方々に判断してもらったほうがより客観的だろうと思うし。
気にしたところでどうしようもない。

それよりも、昨年後輩が退職してから、自分の次の世代をどうやって育成していくのだろうかということがずっと気がかりになっている。(後輩退職の件はこちら→駐在会社員の日常4
もう僕も社歴が二桁年になってきているし、かといって人事権はないから、次の世代がいないと、ちょっと不安。


というのも、どこの会社でも同じかもしれないけど、こういう話題の結論は、ほぼ必ず「人材がいない」ということになってしまう。僕が考えるその原因は「採用してないから」というもので、もっと戦略的に採用をしていれば、必ず良い人材を得るチャンスがあるはずだと思うのだ。

当社も毎年採用は継続しているし(しなかった年はあるけど)、若い人は採っている。
だけれども、なぜか人材がいない、ということになっている。
なんでやねん。

思うに、当社も事業セグメントが広くなってしまったがために、一括採用の中で「海外の管理系」人材候補というのは、フォーカスを当てられていないのだろう。さらに、一括採用をした後に誰をどこに配属するかを決めているが為に、こちらが望んでいるような人材が管理部署に配属される確率が更に低くなってしまうのだろうと想像している。
とはいえ、研究職など専門性の高い部署は、かなり能動的に採用面接とか行っているはずで、なんで管理系はできないのかなと。(理由は想像がつくけど書かないけど)

上記は内輪の話だけれど、やっぱり、海外で働きたい人や、こちらが望んでいるような人材に、当社の採用活動が届いてない面もあるだろうと考えている。
人事部の採用担当している方々にも、海外経験もっている人もいないし。採用される側にとっては、経験のある人が直接語りかけていかないと、伝わらないと思うし、リアルじゃないだろうし。就職活動で会う「会社の人」がその会社のイメージになるだろうし。
昨今も就職活動は大変みたいなので、企業にとっては採用環境は良いはずなのだから、きちっと狙い撃ちしていけば、もっと改善できるはず。
だから帰国したらそういう仕事に関わってみたいなという気持ちもあるけどね。
頼まれたら協力するし。
といっても、簡単に優秀な人が捕まるとも思っていないけど。

ということを書きながら会社の採用ページを見たら、リニューアルされてた。

うーん。

この感じだと、こちらの雰囲気、やっぱり伝わらないだろうなぁ。

今後日本全体で起きうる変化を考えた場合に、駐在員としてでも海外経験をオプションとして持っておくのは決して損ではないし、有益だと思う。
日本のガッチリ組織化されたピラミッドの中で働くのとは、同じ会社の中でも、全く違う経験・視点を持てるチャンスがある。(もちろん職場次第だけど)。
そして日本の大企業の組織化細分化効率化された仕事は、大きな変化の後には、とんでもなく価値が減ってしまうのではないだろうか。そう思うと、むしろ海外に出ないほうが怖い。僕のような文系の人間は特に。
コストが許すなら、若手か新入社員2人くらい呼びたいわ。


経験は金では買えない。誰かに与えてもらうしかない。それは金では買えない。
Right Time, Right Placeにいた人がたまたま貰えるチャンス。

だから、少なくとも、その時その場所で、事業に資することができる人と働けるように
「うちの職場、こんなですよ、選択肢にどうですか」と知ってもらうことが必要だと思うのだ。