10/01/2010

こっちの知り合いで
日本語の先生がいるんですけども
立ち話で本の話になって、チリには本がとても少ない。

その人の生徒が日本に行った時に、一番感動したのは本屋だったそうです。
本屋のデパートがあるって。
確かにところどころにビル全部本屋とかあるなぁ。
というかそういう品ぞろえのところに買いに行くなぁと思いました。

日本人はよく本を読む。
再販価格維持制度もあって一つの街にいくつも本屋があるのは当たり前だし
本屋に行けば必ず人が多くて邪魔だし
若者は本を読まないというけど、ケータイやネットで活字を読む量は結構あると思うし
電車の中吊り広告も雑誌や本の広告であふれている。

一方、チリではほとんど出版というものをしていないらしい。
そのため本も輸入品がほとんどで、
業者なのか関税なのかが上乗せされ、とても高い。
アルゼンチンへ買いに行った方が安いという話もある。

この違いがもたらす意味は大きい。
自助学習の機会が全く違う。
卑近な例でいえば、Excelの使い方など、日本なら1500円も出せばかなりマスターできる。

こういう環境の違いでは、新しいネットサービスやデバイスの持つ意味が違ってくる。
ガラパゴスというけれど、そうなったことの一つには、
日本の文化が欧米のそれとかなり違うという点はあると思う。

大きな本屋がほとんど無くて、しかも高いとなればKindleやiPadで
安価に素早く電子書籍を買うことができるメリットは日本のそれの比較にならない。

きっと日本でAmazonといえば、買いに行く時間と手間が省けるメリットが大きいけど
本屋に行った時の宝探し的な感覚が無くなるデメリットも大きい。
ここではそもそも機会費用がほとんど無くて、初期投資ができれば、メリットばかり。

だから日本では、そうでない国に比べて、デバイスが特殊な進化をするし
海外のデバイスやビジネスモデルがそのまますんなり入らないことがあるのかなと思いました。

そう考えると日本での電子書籍の普及のカギは、
紙かデバイスのどちらが読みやすいかではなく
リアル店舗の多さと品揃えの多様さに、いかに勝てるか、代替できるかだと思う。

ではまた。

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