6/09/2014

ディズニーワールド旅行

休暇を取得してフロリダに旅行に行ってきた。
オーランドのディズニーワールドだ。 

僕の知る限り、チリにいる日本人家族(子連れ)の中で、ディズニーワールドに旅行する人の割合はとても高い。なぜなら、そこがチリから最も近いディズニーランドだし、時差も無いからだろうと思う。

また、今回僕ら家族は、日本に住む義父母と、ディズニーワールドの同じホテルに予約を入れて、そこで落ち合って一緒に滞在した。(流石に部屋まで隣にはできなかったけど)
アメリカなどの中間地で日本の家族と落ち合って旅行する駐在員は時々いて、私の家族はそれほど特別な例でもない。それでも、第三国で家族と落ち合うという旅行は一般的とは言えないし、自分の家族がそういうことをするとは思っていなかった。
だから無事に終わってよかった。

で、 今回旅行の準備と滞在する中で、本場ディズニーのサービス(課金システム)にいろいろ感心したから、それについて書こうと思う。

(Animal Kingdom のオアシスにて)

特に素晴らしかったのは、 ネットから直で予約した自分たちのパッケージを、日本の代理店を使って予約した義父母の滞在パッケージと、一つのアカウントに統合できたこと。
これで、付帯するサービスを全て一括で手配できた。
やり方は簡単で、代理店に予約番号を聞いて、後述するMy Disney Experienceに打ち込むだけ。入れれば代理店が手配した予約情報に従って、宿泊者の名前と期間とホテル名とチケットが表示される。はっきり言って、日本の旅行代理店はこの後は必要なくて、単に航空券・パッケージ手配とディスカウントの為に存在しているようなものだった。


ざっと書くと、
ディズニーリゾートに滞在する人には、My Disney Experienceというアカウントが作られる。
ここで、ホテル、パークのチケット、レストラン予約、ファストパス(FastPass+)、空港送迎、写真撮影サービス(PhotoPass/MemoryMaker)他が全て手配できる。
基本的に全てWebで手配できるのだけれど、一部、期間限定とか人気のプログラムは電話でしか出来なかった。
電話はもちろん基本英語だけど、対応が良かったので、たぶん電話かけて、"Japanese translator please"とか言えば、日本語の人を探して対応してくれる。ウチのヨメも、最初は「おとうさん電話予約お願いします」って感じだったけど、一旦なんとかなると気付いてから予約センターに何度も自分で電話掛けてたし。
僕は僕で、何故かスペイン語で電話したら、電話先の相手も英西二カ国語喋るし、僕はどっちもそれほど上手くないんで、どっちでも良かったのだけれど、途中から英語に切り替えられて微妙な感じに。。。(あと、滞在中なぜか別々のキャストから2回ほど「この人なんかポルトガル語喋ってるぽいんだけど」って言われた。なんでやねん喋ってへんわ。)

それで
自分たちもこのMy Disney Exeperienceというアカウントを持つことになったのだけど、
義父母のホテル予約についても、代理店に聞いた予約番号をMyDisneyExperiendeに入力したら、簡単に取り込めた(!)。
同時に、取り込み前に自分たちで勝手に登録しておいた両親の予約も全く問題なく引き継げた。(!!)
この状態から、レストランの予約とか、FastPass+の予約とかも全員ぶんいっぺんに出来た。日本から来る両親のぶんも、チリから行く我々のぶんもいっぺんに。
これは結構凄いなと思った。

凄かった理由について、それぞれのサービスをちょっと細かく書くと
まずリゾートでは、MagicBandっていう魔法のリストバンドがサービスの中核になっている。
これはRFIDが埋め込まれていて、それでホテルの部屋の鍵、パークのチケット、FastPass、PhotoPass(後述)、全てこれで出来る。
https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/bands-cards/

 色も事前に6色くらいの中から選べて、アクセサリーもパーク内で売ってるので、見た目をカスタマイズできる。(色のカスタマイズは到着日何日前までかの期限がある)米国内に住んでいると郵送で送ってくれるみたいだけど、そうでない場合はホテルで受け取れる。
パークに入るときは、これをリーダーに翳して、それと生体認証(ひとさし指とか)の組み合わせで入園する。再入園もこれで確認するから、東京ディズニーの再入場スタンプみたいなのとかもない。
さらに、クレジットカード情報を登録することで、リゾート内で買い物も出来る。お土産を選んだら、このBandをレジのリーダーにかざしてパスワードを入れるだけ。もう凄い、チャリンチャリン、いっちゃう。(多分これは成人だけの機能で、子どものBandではアクティベートされない仕組み)
なお、Bandで使える金額は上限500ドルになっていたのだけれど、後から明細を見たら、500ドルに達した日の終わりにクレカにチャージされて精算されていた。たぶん防犯用とかなんだろう。逆に言うと、財布を持ち歩かなくて済むので、それも防犯にはなると思う(使うのが1日500ドルで済めば)。
Disney側はこれで行動パターンを全て収集してるんだろうから、ある面で行動を覗かれてるような気味悪さを感じる人もいるかもしれないけど、個人的にはディズニーの中での行動なんて、別に見られててもどうでも良くて、それよりもそのビッグデータ分析によって色んな待ち時間が減る方がいいね。お土産を沢山買う日本人には優しくしてくれるかもしれないし。


 次に、FastPass+というのは、入園前に取るFastPassで、入園日1日につき3つ取れる。
https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/fastpass-plus/
その中でも人気のアトラクションは1つだけ、とかの条件があったりするけど、とりあえず3つ選ぶことになる。もちろん、人気のアトラクションは早めに売り切れている。で、選んだアトラクションのFastPass時間帯組み合わせが自動的に4つサジェストされる。これでDisney側は入園者のコントロールをしているんだろうけど、手動でも選べるから使う方としては問題ない。
入園後も、一つ目のFastPassを使ったら、次のFastPassを一つ取れる。またいつでも変更可能で、スマホでできるし、園内にFastPass Kioskがあって、専用端末かiPad持ったキャストがいるので、それで変更・取得できる。(アプリもあるんだけどiTunesの日本のアカウントだとダウンロードできなかった。)
FastPassにはもちろん発行枠があるので、そんなにバカバカ乗れないけど、子連れだと大して使わない。3つ乗って、ご飯食べたら、たいてい子どもが疲れて寝ている。何よりも、Disney Experienceのアカウントを統合したことで、義父母のFastPassも全て一緒に取ることが出来て、全員一緒に待ち時間最小で回ることが出来て、とても便利だった。
それから、最後の日に取っていたアトラクションが、入った後に休止になってしまったのだけれど、その場でFastPassの振り替えをしてくれなくて、なんだかなーと思っていたら、後から「下記リストのアトラクションにすぐ入れるようにしました」とメールが来ていた。凄いなぁと思ったけど、その場で聞いたときは別のこと言われたので、システムがまだキャストにまで伝わっていない感じもあった。
あと、この仕組みのおかげで、従来のFastPass発券所がトマソン=無用の長物になってて、蒸し暑いフロリダで東屋のようにアイスとか食べながら涼むスポットになってて、結構休んでいる人がいた。(そのうち撤去されるだろうけど)

 最後に、MemoryMakerというサービスがあるのだけれど、これはDisney PhotoPassという写真撮影サービスのオプションで、 PhotoPassというのは、園内の撮影スポットにプロのカメラマンがいて、頼むと写真を撮ってくれるサービス。
https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/memory-maker/
園内で撮影してもらった時に、PhotoPassのカードか、MagicBandを読み取ってもらうと、自分のアカウントにその写真がアップロードされる。勿論有料だけど、園内では一切お金を払わないし、いちいち通りすがりの人に「写真撮ってくれますか」って頼まなくていいし、プロなのでそれなりのクオリティで取ってくれるし、時々、オリジナルの合成写真を作ってくれる。キャラグリーティングの時も必ずPhotoPassカメラマンがいて、写真を撮ってくれる。もちろん自分のカメラでも撮ることに制限はないし、頼めばカメラマンが自分のカメラで撮ってくれる。
ちなみに、スプラッシュマウンテンとかのアトラクション内の写真もここに統合できる。それも写真ブースで代金を支払う必要は無く、レジでMagicBandをかざすだけ。PhotoPassで撮ってもらった写真はたいていその日のうちにクラウドにアップされて、専用フレームとかでデコレーションもできる(僕はしなかったけど)。それらを全てダウンロードして、SNSで家族とシェアできたから、そんなに安くなかったけど、良いサービスだなと思った。実質4日間で180枚くらい撮ったかな。
今回、撮ったはずの写真がいくつかアップされなかったのだけれど、専用フォームからクレームしたら、それらロストした写真も一日以内に見つけてアップしてくれた。

(EPCOT)
まぁ
まとめとして思うのは、これはやっぱり英語がわからないとフルに使えなかっただろうな、ということ。消費者としても英語は出来た方が良いな、と改めて思った。
ディズニーワールド専門の日系旅行代理店とかもあるけどね、何より、直営サイトに書いてることが全てなんだから、読めた方が早いし。日本のガイドブックも一年以内に発行されたものでも、その後に変わっている内容は一杯あるし、そもそもアトラクションの休止情報とか、直近じゃないと意味ないし。
一番驚いたのは、日本のガイドブックに載っていた、アニマルキングダムの一つのエリアが丸々無くなっていたこと。行く前日にチェックしたら、MAPに載って無い!
俺:「このエリア、無くなってるよ。キャラグリも消滅してる。」
ヨメ:「は!?は!?」
みたいな。

旅行最終日に
滞在してたホテルの食堂で、日本の某旅行代理店を使って来られた方々が現地担当者から説明を受けていたのを見たのだけれど、うちらがメシを食ってる間、何十分も打ち合わせしてるし、プリントいっぱい配ってるし、お客さんの方がなんかノートにびっちりメモってるし、質疑応答とかしてるし、打ち合わせ終わって何か難しい顔してる、、、皆さん高いお金払ってバケーションに来たんじゃないんですかっ!適当でいいんですよ。適当で!後で考えればいいじゃん!休めよ!
って、
俺はアレ無理だなーと思ってしまいました。

英語できなくてもDisney側が受け止めてくれるからたぶん何とかなるとおもうんだよね。例えばホテル受付にも翻訳用の電話が常備されてたりするし。

4/12/2014

Crepes&Waffles

昨日の自分のツイート


これを書きながら思い出していたのが、昔テレビで見た日本のどこかのクリーニングチェーンでそこでも店舗人員を雇うのに、子持ちの女性を優先して雇っているという話だった。
うろ覚えだが、話としては、やはり子持ちだと責任感があるということや、作業が速いとか企業にとってメリットがあるので優先的に雇っているということだった。
小さな子供がいる家庭では、そんなに職探しを何度もする余裕もなく離職率は低くなるだろうし、家事も大変だから時間に敏感になるし、家事をこなしているだろうから作業も早い傾向があるだろうということは何となく想像できる。
そういえばクリーニング店の店員は大抵おばちゃんだ。

日本でシングルマザーの貧困率の高さが非常に高く問題になっているのは僕も知っていた。
Wikipediaによれば、このチェーンは"only hiring women who are heads of their families"ということなので、正確にいえば「世帯主の女性」ということだが、こういった境遇の方々はどこの国でも不利な雇用環境に置かれているということなのだろう。

いずれにしても、このチェーンはWebサイトでも従業員を全面に押し出しているし、商業的にも成功しているようなので、中南米にくる機会のある人は見かけたら入って観察して見て損はない店だと思う。

あとどうでもいいが、スペイン語はチリ訛りよりコロンビア訛りの方が個人的には好きだ。

4/11/2014

駐在会社員の日常8 LIFO 駐在員・後入先出


先輩が日本に帰る。

先輩と言っても、同じオフィスで働いている方ではない。
違う国の違う会社で働いている。
それでも同じ案件に関わって日々話してきた。
実は元直属の上司。
僕の一年半後に着任して、もうすぐ日本に帰ることになっている。

これで僕と同じ職掌の弊社駐在員は、南米に誰もいなくなる。
なんてこった。

海外駐在員の異動のお決まりといえば、横滑りだ。
スペイン語圏に一度赴任すると、同じスペイン語圏で回るパターン
大体同じだろうということで、ブラジルが加わるパターン
大使館なんかも例外じゃない。

それから、同じ国に2回目、3回目というパターン。
この先輩も、南米は2回目。
というか、いま当社で南米に駐在している人間は、初めての駐在のほうが少ない。
7割くらいが複数回の駐在経験がある人だ。

そういうのは、どこの会社もたいてい一緒だ。
帰国するにも、年齢が上がれば上がる程、本社のポストも限られていくので
その人の優秀さとは無関係に、帰る機会と場所が減ってしまうっていう事情もある。
この先輩は求められて帰国するので、恵まれているのかもしれない。

後入れ先出しになってしまったな。


僕の方はというと、後任がいなければ抜けられない。
なにせこの職域で、南米に一人駐在になってしまったので。
もうGoogle Voiceで相談する相手もいない。
この先輩は僕の上司だったこともあり、愚痴なんかも聞いてくれていた。
いまの上司も愚痴は聞いてくれるけど、やっぱり違う分野だから、
ある部分で、わかってもらっている感は違う。

孤独を感じる。

孤独は、責任を背負っている証拠だと誰かが言ってくれたけど
仲間は必要だ。

顔の見える相手がいなくなると
だんだん、会社に使われてるだけかも、と思えてくる。


3/12/2014

駐在会社員の日常7 人材不足の海外マネジメント



先般日本から偉い人が日本から出張に来られて、
現場のオペレーションを視察していかれた。
それに際して、会議なども行われたのだけれど、その中でM&Aに関するやりとりがあった
偉い人 「当社がM&Aを検討する際には、今の陣容では難しさがありますね」
現地  「規模によると思います。小規模なら問題ないと思われる。」
偉い人 「しかしこれまで海外マネジメントで問題があったので、買収の際には十分検討してクリアできるなら良いけれど」
という感じ。


その後、移動して、別の現法の外国人社長と打ち合わせをした。
で、「まず私の職務を説明したいので、翻訳してくれますか」とのこと。
ここでやや微妙な空気が流れた。
私は議事録を書きながら、パワポの操作など、ちょっと別のことをしていたせいもあり
その方に「あれ、聞いてるかな。やりたくないのかな。ハハハ」などと言われ、
内心「俺一人で全部は無理だろ」と思っていたところ、上司が通訳兼解説をすることになった。
しかしその後、ついぞ英語での応酬は交わされなかったし、翻訳有無を問わず外国人社長への直接の質問もなかった。


これがあって、ずっと違和感が拭えない。
海外マネジメントがどうのと言っている方が、どうして現法社長に直接語りかけられないのか。
最低、質疑は難しいとしても、プレゼンは英語で喋る準備をしてこれるはずだ。
僕はこれこそが問題だと感じる。英語が喋れないこと(だけ)ではない、自分で直接働きかけようとする姿勢だ。
なぜ、我々はまだこんなことをしているのか。
この方はもう10年ほど「偉い人」をやられている。


本社からはこちらの業務で何かと「問題だ」「問題だ」といわれることが多い。
何か起きれば「マネジメントが~」とか「ガバナンスが~」と言っておけば、指摘にはなる。
だが、本当にわかっていっている人がどれ位いるのかと思う。
「では、あなたは我々をマネジメントしているのか?」と聞きたくなる。いつもメールで指摘が来るだけだ。


あたりまえだけれど、海外勤務の経験がない人は、日本の業務の延長線上で考える。
大企業の日本国内の業務は、細分化され、専門化され、かつ世界有数の義務教育と高等教育を終了した人材で運営され、責任の所在は曖昧であり、かつ管理部署はレポーティングが主たる業務だったりする。

海外特にに新興国ではどうか。僕の経験から書く。
不十分な公的教育を受けた人材、あるいは一握りの高給エリート人材を、どのように仕事を細分化するか、どの人材にどういった専門性があるか把握しながら、自分に適切なレポーティングが上がってくるように運営しなければいけない。予算は限られており、優秀な人材を十分に雇うことは出来ない。駐在日本人は、日本でマネジャーになった経験もないまま、そのようなセクションの責任者になる。
そして経験する。

この隔たりは非常に大きい。

海外事業のリスクを説くことは簡単だが、ではどうすれば事業を収益化できるのか、そのために何が大事なのかを話す人は少ない。
海外人材も少なければ、海外事業・人材を管理する人材も少ないのだ。

海外事業で、冷静にどこにリスクとチャンスが有るかを見極め、PDCAを回せるのが実力であり、海外人材と呼べるだろうが、その能力は前述したような日本の環境では培えない。環境が違いすぎる。
もっと海外に出られる人材を採用して、もっと海外へ送るべきだ。
コストが高いなら、下げればいい。手当とフリンジベネフィットも下げられる。

日本もそのうち海外と同じような事業環境になるだろうと思う。
二極化、教育崩壊、解雇規制の緩和、、、、
その時にその「海外人材」が国内でも活きるはずだ。

1/25/2014

駐在会社員の日常6   幹部職になった

あけましておめでとうございます。

話はいきなり昨年10月に戻るのだけれど
チリから日本へ出張して強行スケジュールで昇格試験を受けてきた。
その結果が先月出て、晴れて新年から僕は幹部職となった。

試験は一泊二日のスケジュールで、チリから日本到着の翌々日からだったので、時差が抜けず
試験初日の夜21時からの個人作業の時間は、かなり睡魔に襲われ、
気付けば試験の作業シートはミミズのような文字で埋められ、
しょうがくさんねんせいの発表資料のようなそれを回収された時は
まさに地球の裏から逝って窮(Q)。ああ、これは酷い。落ちた。という状態だったのだけれど
結果としては三段階評価の一番上ギリギリという評価になり、めでたく合格した。

ということで幹部職になった。

なぜ幹部職になれたかというと、上司が試験を受けさせてくれたことが大きい。
上司がなれるならなっておきなさいというスタンスだったのと、
実際チリでの業務でも幹部職レベルの仕事がかなり多かったのと、
海外だと平社員でも残業代がつかないという仕組みだったので
経済的にも受けてみたほうが良いかな、という気持ちで受けた。
試験の内容がどう評価されたのかはよくわからない。
一方で、自分は昇進欲からくる嫉妬を持たないようにしようと思っているのだけれど
客観的に言って、全社的にいまの僕の年齢で昇格するのは早い方で
実際、僕が出席した回の試験にも、同期や下の世代はいなかった。
だから、やっぱり誰が受かって落ちたかとか、そういうことは気になってしまう。
不思議なもので。

そんな虚栄心も仕事に襲われて一週間くらいで無くなった。
思いおこせば、これでチリに来てから社内の等級が2段階上がったことになる。
チリに来た時の僕は29歳の頼りない一兵卒だった。
いまでも事務所では一番若い。
それが気付けば自分の10コ20コ年上の外国人に、気兼ねなくああせいこうせいと指示・指導をしている
僕は成長したのだろうか

4年前も今も、僕は変わらず臆病なヤツで
毎日尻込みしている。
毎日尻込みしながら、なんとか前に進もうとしている。

1/02/2014

駐在会社員の日常5   僕がいなくなった後

チリでの正月も4回目を迎えた。
あっという間だ。

来チリした頃、やっと歩き始めたばかりだった娘が、生意気な口を叩くようになっている。

僕は成長したのだろうか。 。。。などということはあんまり考えていない。
おそらく、自分が成長しかたどうかは、日本へ帰国した後に、既知の方々に判断してもらったほうがより客観的だろうと思うし。
気にしたところでどうしようもない。

それよりも、昨年後輩が退職してから、自分の次の世代をどうやって育成していくのだろうかということがずっと気がかりになっている。(後輩退職の件はこちら→駐在会社員の日常4
もう僕も社歴が二桁年になってきているし、かといって人事権はないから、次の世代がいないと、ちょっと不安。


というのも、どこの会社でも同じかもしれないけど、こういう話題の結論は、ほぼ必ず「人材がいない」ということになってしまう。僕が考えるその原因は「採用してないから」というもので、もっと戦略的に採用をしていれば、必ず良い人材を得るチャンスがあるはずだと思うのだ。

当社も毎年採用は継続しているし(しなかった年はあるけど)、若い人は採っている。
だけれども、なぜか人材がいない、ということになっている。
なんでやねん。

思うに、当社も事業セグメントが広くなってしまったがために、一括採用の中で「海外の管理系」人材候補というのは、フォーカスを当てられていないのだろう。さらに、一括採用をした後に誰をどこに配属するかを決めているが為に、こちらが望んでいるような人材が管理部署に配属される確率が更に低くなってしまうのだろうと想像している。
とはいえ、研究職など専門性の高い部署は、かなり能動的に採用面接とか行っているはずで、なんで管理系はできないのかなと。(理由は想像がつくけど書かないけど)

上記は内輪の話だけれど、やっぱり、海外で働きたい人や、こちらが望んでいるような人材に、当社の採用活動が届いてない面もあるだろうと考えている。
人事部の採用担当している方々にも、海外経験もっている人もいないし。採用される側にとっては、経験のある人が直接語りかけていかないと、伝わらないと思うし、リアルじゃないだろうし。就職活動で会う「会社の人」がその会社のイメージになるだろうし。
昨今も就職活動は大変みたいなので、企業にとっては採用環境は良いはずなのだから、きちっと狙い撃ちしていけば、もっと改善できるはず。
だから帰国したらそういう仕事に関わってみたいなという気持ちもあるけどね。
頼まれたら協力するし。
といっても、簡単に優秀な人が捕まるとも思っていないけど。

ということを書きながら会社の採用ページを見たら、リニューアルされてた。

うーん。

この感じだと、こちらの雰囲気、やっぱり伝わらないだろうなぁ。

今後日本全体で起きうる変化を考えた場合に、駐在員としてでも海外経験をオプションとして持っておくのは決して損ではないし、有益だと思う。
日本のガッチリ組織化されたピラミッドの中で働くのとは、同じ会社の中でも、全く違う経験・視点を持てるチャンスがある。(もちろん職場次第だけど)。
そして日本の大企業の組織化細分化効率化された仕事は、大きな変化の後には、とんでもなく価値が減ってしまうのではないだろうか。そう思うと、むしろ海外に出ないほうが怖い。僕のような文系の人間は特に。
コストが許すなら、若手か新入社員2人くらい呼びたいわ。


経験は金では買えない。誰かに与えてもらうしかない。それは金では買えない。
Right Time, Right Placeにいた人がたまたま貰えるチャンス。

だから、少なくとも、その時その場所で、事業に資することができる人と働けるように
「うちの職場、こんなですよ、選択肢にどうですか」と知ってもらうことが必要だと思うのだ。